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北海道大空町 大橋牧場の知床牛®

唯一無二のメイドイン北海道の和牛

北海道大空町、女満別空港から約15分のところにある「大橋牧場」。ここは初代である大橋勝美さんが昭和38年に始めた牧場です。以来、60年以上にわたって牛と共に歩んできた歴史があります。

現在、大橋牧場では粗飼料は北海道産のみを使用し、配合飼料もできる限り北海道産を使用しながら世界で唯一の配合飼料で育てるメイドイン北海道の黒毛和牛「知床牛」を中心に育てています。

牛舎の中はきちんと清掃され、広い区画にフカフカの大鋸屑(おがくず)のベッド、牛たちは心地よさそうに過ごしています。

そして流れているのはなぜか演歌。大橋牧場初代である勝美氏が黒毛和牛は日本の牛だ、日本の牛には『演歌だろう』という一声で演歌を聴かせてます、牛も人も心地良い空間の演出方法だそうです。

現在、牧場を継いだ三代目の大橋遼太氏は、北海道から松阪牛や神戸牛より味の勝る和牛生産をしようと、血統はもちろん、餌の開発から育て方の研究まで、とことん追求している和牛界の若手トップランナーのひとりです。

およそ2000頭いる牛たちは一頭一頭、性格が異なるので向き合い方が違うと言います。365日、牛たちの状態、目を見ながら大切に育てているという「大橋牧場プライド」。穏やかで温かな牛舎の雰囲気が印象的です。

大橋さんは繁殖から一貫して育てる雌牛の「特別肥育・知床牛」格付け(日本格付協会)を意識せず、脂の質、筋肉の味に特化した育て方(約30ヶ月以上肥育)や、北海道出身で芸能界きっての『肉マニア』でもあるEXILE SHOKICHIさんと北海道初導入となる純血但馬牛を一緒に育てる「八将牛(はちまさぎゅう)」プロジェクトなど、積極的に新しい取り組みを行なっています。

誰もやったことのないチャレンジも!

大橋さんが牧場を案内してくださる中で、おもしろいチャレンジを教えてくれました。
一つは大橋さんが特産松阪を生産する師匠の牧場に行った際に見た60ヶ月肥育の雌牛を見させていただいた時、常識では考えられない未知な世界を自分でも見てみたい。そう思い大橋牧場には現在73ヶ月肥育の未経産和牛がいます。通常の未経産和牛は24ヶ月から26ヶ月で出荷します。こんなに長く飼われている未経産和牛はいないのではないかと大橋さんは言います。長期肥育はより美味しいお肉を生産する一つの着目点として注目されていることではありますが、その分飼料代もかかり、健康で長生きできる育て方があってのこと。いつかはお肉にするというお話でしたので、その時はぜひ一緒にいただいてみたいと思います。

もう一つは、未去勢で育てている雄牛。繁殖に使用することもなく、本当に肥育だけで、すでに24ヶ月が過ぎたそうです。通常の雄牛の肥育は場合は生後4ヶ月頃に去勢するのが一般的で、去勢しないで肥育すると人に危害を加える事故が起こる危険があったり、肉が硬くなっておいしくない、などと言われます。
でも、大橋さんの育てる通称「玉男くん」は額が割れるいわゆる「オス顔」でもなく穏やかに甘えてくる可愛い仔で雄牛にしてはおとなしいそうです。
何故このようなことをされてるのかを聞くと、「去勢をしないで肥育した肉はうまいらしいぞ」や『玉付は臭い』や『硬くて食えたもんじゃない』みんな言うけど本当??と言う思いがきっかけだそうです。
この牛もいつかはお肉にする時は、ぜひその未知の味を味わいたいと思いました。
大橋牧場は、北海道ならではの豊富な大地の恵みを最大限に生かした、北海道だからできる、まさにメイドイン北海道の新たな黒毛和牛の可能性を感じる牧場でした。

食べてみたら、すっきりした脂と旨みにびっくり!

牧場を見た後は、近くの大橋さんのお母様が経営する食事処まるで、知床牛をいただきました。黒毛和牛らしい豊かな和牛香と風味がありながら、すっきりと後切れの良い脂に驚きました。思わずいつもよりたくさん食べてしまいました。


知床牛は程よいサシと赤みの旨さが絶妙なバランスで食べ飽きないのです。そして、普通の和牛に比べて旨みがしっかりと感じられるのが特長だと思います。
同行した赤坂の「磨匠ながやま」の永山さんもそのおいしさに満足している様子でした。

史上初!? 未去勢の黒毛和牛を食べる!!

大橋牧場の大橋さんが育てていた、未去勢の黒毛和牛「美音大号」、通称「玉男くん」が10月21日、約30ヶ月の肥育期間を経てお肉になったとの知らせを受け、さっそく「食べる会」を企画しました。
大橋さんをお招きして11月27日、一緒に大橋牧場を訪れた永山さんのお店である赤坂の「磨匠ながやま」に集まりました。「30年近く和牛を扱ってきた私でも、初めて触る牛です」という永山さんの言葉から始まった「玉男くんを食べる会」。
大橋さんの話を聞きながら、いかに稀有なお肉であるかがわかります。「1ヶ月でだいぶ化けましたよ」という説明の通り、並べられたリブロースは枝肉の写真とは違い細かいサシが美しく見えます。


初めはお刺身から。見ているとどんどん脂が溶けだして、融点の低さがわかります。
一口食べるとまさに「すっきりなのにとろける脂」を感じます。

そしてステーキは「去勢しない雄牛は硬い」なんて誰が言ったのか?と思うほど。
美しいルビー色に輝くお肉を焼くと鼻腔をくすぐる、いい脂が焼けるときに放つ香り、噛むたびに溢れ出す旨み。玉男くんに感謝しかないおいしさでした。

大橋さん、永山さん、生涯に一度しかないかもしれない、貴重な体験をありがとうございました!

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